この記事は、初めてのイラストシリーズの第6回です。
なんか違う気がするな・・・
上手な人との差って何だろう?
実はね、「根気」だったりするんだよ
これまでは、物を単純にとらえて描くことを意識してきました。
それにより、基本となる図形や立体を使っていろいろなものが表現できるようになりました。
そして、影をつけることによりずいぶんとイラストらしいものが描けるようになりました。
同じものを描いていたとしても、上手な人と差があるように感じたかもしれません。
もちろん、上手な人と比べると、形の取り方や影の付け方に差はあると思います。
しかし実は、上手な人との差は、実力だけではない大きな違いがあります。
そしてその差は、初心者でも根気でカバーできることだったりします。
今回は時間を描けて1枚のイラストを描く練習をしてみましょう。
今回のイラスト「苦そうなピーマン」
今回完成させるイラストはこちらです。
「苦そうなピーマン」です。
なんか・・・黒いね
そう
今回は黒さがポイントだよ
絵やイラストは「描きこみ」
絵やイラストが上手な人と初心者の違いは、実は上手さだけではありません。
「イラストの完成度」が違います。
分かりやすく言うと、「描きこみ量」が圧倒的に違います。
詳細な部分まで描く
上手な人は、細かい部分までよく見て丁寧に描いています。
初心者は、複雑そうな部分をごまかしてしまう傾向があります。
自分の実力では描けないと思ってしまうのですね。
それにより、本来の絵を描く実力差以上に上手さが違って見えてしまいます。
イラストの完成度を上げるために、細かい部分も丁寧に描きこむことが大切です。
上手な人のイラストは、デフォルメされていても、服や小物を見るとしっかり描かれています。
資料をよく見る
上手な人は、資料をしっかり見ています。
構造がわからない部分は、調べてよく見て描いています。
それが新しい知識や練習となり、さらに描けるものの幅が広がっていき上達します。
実力がついてきたら、構造が複雑な部分もごまかさず、資料を見てじっくり描きこむようにしましょう。
単純なもので描きこみの練習
そうはいったものの、複雑すぎるものをいきなり描きこもうと思っても難しいです。
完成度の前に、そもそも完成までいかないと心が折れてしまいます。
そこで、描きこみの練習として、単純なものを描きこんでみることにしましょう。
複雑なものをしっかり描きこむと、完成までものすごく時間がかかってしまい挫折してしまいます。
なので、最初のうちは複雑なものはそこまで描きこまず、ごまかしてしまっていいと思います。
単純なものなら、描きこんでもそこまで時間がかかりません。
描きこみの練習になるので、なるべく単純なモチーフから練習しましょう。
言われてみると、上手な人の絵って細かいところもしっかり描いてあるなー
そうなの
だからイラストは上手・下手がすべてじゃないんだよ
大事なのは「根気」だと思うな
「ピーマン」を描いてみよう
ピーマンを描いてみましょう。
イラストを描く道具は、えんぴつでもサインペンでもなんでも大丈夫です。
私はCLIP STUDIO PAINT PRO
(クリスタ)を使っています。
下書き
下書きをしていきます。
下書きは後で消すので、薄く描きましょう。
サンプルは見やすいように色を分けて濃く描いています。
今回は描きこみの練習なので、形は単純にとって大丈夫です。
清書
下書きに沿って、丁寧に清書しましょう。
清書ができたら、消しゴムで下書きを消しておきます。
もし消しゴムがけが大変だと感じたら、下書きを別紙に描いたり、デジタルにしたりすることで、その手間を省く方法があります。
描きこみ
ピーマンをみっちり描きこんでみましょう。
光の位置を決める
光の位置をなんとなく決めておきましょう。
私は左上にしておきます。
面に沿って細かく線を描く
ピーマンの表面の曲線が分かるように、短く細かい線をたくさん描いてみましょう。
このとき、光が当たっている位置だけ線を描かず白い状態にしておくと、メリハリが出ます。
影の位置を決める
影の位置を決めましょう。
私の場合は右下ですね。
影を描く
決めた位置に影を描いていきましょう。
さらに線を重ねてどんどん描きこみましょう。
光から遠い位置や、溝になる位置は特にたくさん描きこむと深い感じになります。
完成です!
なんかすごいね
こうなっちゃうと上手いのか下手なのかわからないや
根気なら実力は関係ないからね
描きこめば上手な人との差を縮められるんだよ
根気よく描きこむ
イラストが上手な人は、たくさん練習してしっかり形をとらえたイラストが描けます。
それに加えて、小さな部分もごまかさずに描くため、1枚の絵の完成度がとても高いです。
実力の部分は、たくさん練習するしかないので急には上手くなりません。
しかし、完成度の部分は、初心者でも根気で埋めることができます。
描きこみをしっかりしているだけで、同じくらいの実力の人よりも完成度が高いイラストを仕上げることができます。
とても実力がついたように感じるので、上達が実感できて自信につながります。
そして、自信がつけば、イラストを描くのがまた楽しくなります。
楽しくなればどんどん描くので、それが実力につながっていきます。
描いている最中は大変ですが、達成感があるので、ぜひ仕上げたいイラストは描きこんでみましょう!
今回の内容で描けるお題とサンプル
描きこみの練習として、以下を描いてみましょう。
リンゴ
リンゴは、表面にデコボコが少ないので、描きこみやすいです。
影だけでなく、表面全部を描きこんでみましょう。
マグカップ
マグカップを描きこんでみましょう。
持ち手の部分にも丸み表現することで、完成度が上がります。
テーブル
テーブルのような平らな面も描きこんでみましょう。
これらはすべて「初めてのイラスト」シリーズで描いたことがあるお題です。
描きこむのは大変ですが、過去に描いたものと見比べると完成度が上がっているのがわかると思います。
とても大変ですが、達成感があるので頑張りましょう!
ユキの根気の良さがイラストと相性がいいんだなー
オレもがんばるぜー!
ドウジ君の前向きさは何にでもプラスになると思うな
一緒に頑張ろうね
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雪女のユキ。
イラストなど創作やものづくりの内容を担当している。
自由に自分らしく・じっくり根気よくがモットー。
暑いのは苦手だけど、あったかい食べ物とかは好き。
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