この記事は、初めてのイラストシリーズの第9回です。
そういえば服ってどう描けばいいんだ?
布だから形がつかみにくいよね
顔や体の描き方を知ることで、人などの生き物が描けるようになります。
動物はそれだけでいいのですが、人はさらに追加で描くものがあります。
それは、服です。
人は服を着るのが一般的なので、裸のままだとちょっと恥ずかしいですよね。
今回は布の描き方を知り、服を描いてみましょう。
今回のイラスト「動きやすい服装の人」
今回完成させるイラストはこちらです。
「動きやすい服装の人」です。
リアルなほど布は難しくなるので、デフォルメしたイラストにしています。
体の描き方のときより人が完成した感じがするね
なんでかな?
服は人の一部ってくらいなじんでいるのかもね
服は布でできている
これまでは、立体を組み合わせて形を表していました。
服もある程度は立体の組み合わせで表せますが、大きな違いがあります。
それは、布でできていて形が自在に変わることです。
これまで描いていたものは、基本的に表面がしっかりしていて形が変わらないものでした。
布の特徴を知り、描き方を見ていきましょう。
布にはしわができる
服を立体の組み合わせとしてそのまま描くと、硬そうな印象になります。
立体を組み合わせただけでは、布の特徴がイラストに現れないからです。
布の特徴は、表面にしわができることです。
しわをうまく描くことができれば、服が布らしく柔らかい印象になります。
しわってテキトーに線を描けばいいのか?
テキトーだとしわに見えないかもしれないよ
どんなところにしわができるのか描きながら見てみよっか
布を描いてみる
どんなところにしわができるのか、布を描きながら確認してみましょう。
イラストを描く道具は、えんぴつでもサインペンでもなんでも大丈夫です。
私はCLIP STUDIO PAINT PRO
(クリスタ)を使っています。
平面を立体的に描く
布はほぼ平面なので、まずは平面を立体的に描いてみましょう。
ひとまず、四角い布を奥行きを持たせて描いてみましょう。
まだしわがないので、布に見えず硬い印象ですね。
一部を持ち上げてみる
ただの四角を布に近づけるため、一部をつまんで持ち上げてみます。
曲線で持ち上がりを表現します。
奥の辺に重なる場合は、見えなくなるため消しましょう。
ただの四角から、少しだけ布に見えるようになりました。
しわをつける
しわをつけてみます。
しわは、力がかかっているところに向かってできます。
例えば、つまんでいるところや、押し込まれているところなどにしわができるということです。
持ち上げた位置に向かって、線を数本描いてみましょう。
これだけでしわのように見え、かなり布らしくなりましたね。
しわって力がかかっているところにできるんだね
気にしたこともなかったよ
うん
それが分かれば、力点に向かって線を描くだけでしわに見えるよ
生地の硬さを意識する
服の布には、いろいろな素材が使われています。
生地によって硬さが違うため、しわの付き方に差が出てきます。
やわらかい生地
Tシャツなどのやわらかい生地は、しわが現れやすいです。
しかし、慣れないうちは描きすぎるとしわに見えなくなる可能性があります。
最初のうちはちょっとだけしわを描くことにしましょう。
関節の部分、例えばひざや腰などは人が動かす部分で力がかかりやすいです。
そのあたりにしわを描くとそれらしくなります。
やわらかさを意識するため、曲線を使うといいと思います。
硬い生地
デニムなどの硬い生地は、しわの数が少なくなります。
関節部分にはしわができるので、そのあたりにだけしわを描きましょう。
生地の硬さを表現するため、直線的で角ばった線を使うといいと思います。
布にもいろいろあるんだなー
そうなの
難しいけど、ちょっとだけ意識してみるといいと思うな
「動きやすい服装の人」を描いてみよう
動きやすい服装の人を描いてみましょう。
下書きは後で消すので、薄く描きましょう。
サンプルは見やすいように色を分けて濃く描いています。
アタリ
アタリをとりましょう。
まずは服を意識せず、人の顔と体を描くことに集中します。
顔はバランス、体は骨を意識することが大切です。
下書き(人)
アタリに沿って下書きをしていきます。
この段階でも、ひとまず服は描いていなくても大丈夫です。
下書き(服)
人の体に合うように、服を描いていきましょう。
男の子でも女の子でも似合うよう、シンプルにTシャツと短パンにしました。
清書
下書きに沿って、丁寧に清書しましょう。
清書ができたら、消しゴムで下書きを消しておきます。
もし消しゴムがけが大変だと感じたら、下書きを別紙に描いたり、デジタルにしたりすることで、その手間を省く方法があります。
完成です!
おー!ちゃんと服を着た感じになったぞ!
本当に服を着せてあげるイメージで描くといいかな
服は人に合わせて動く
服は、基本的に人が着ている状態のものを描くことが多いと思います。
大きな服やスカートは、人のシルエットが見えなくなります。
そのため、いきなり服から描くと腕や脚の位置がおかしくなってしまうことがあります。
まず人を描き、その上にかぶせてあげるように描きましょう。
また服は布でできているため、硬いものを描くのとはちょっと違ってきます。
人に合わせて形を変え、いろんなしわができます。
力がかかっているところにしわができることを意識して描くようにしましょう。
服が変わると人の印象も変わるので、雑誌などを見ていろんな服を描いて楽しみましょう!
今回の内容で描けるお題とサンプル
服を描く練習として、以下を描いてみましょう。
スーツ
スーツを着た人を描いてみましょう。
スーツは厚手で硬めの生地なので、しわができにくいため比較的描きやすい服です。
デニム
デニム生地の服を描いてみましょう。
硬い印象が出るように、しわを直線的にすることを意識しましょう。
スカート
スカートを描いてみましょう。
ロングスカートは脚の位置が分からなくなりやすいので、アタリをしっかりとるようにしましょう。
着物や浴衣のような和服、ドレスのような豪華な服、フリル付きの可愛いお洋服など、服は種類が豊富です。
好みに合わせて自由に楽しく描いてみましょう!
服でずいぶん印象が変わるよね
・・・ぼくも服着ようかな?
テンちゃん裸に鈴だけだもんね
なんか羽織ったり履いたりしたら印象変わると思うな
もっとかわいくなるかも
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雪女のユキ。
イラストなど創作やものづくりの内容を担当している。
自由に自分らしく・じっくり根気よくがモットー。
暑いのは苦手だけど、あったかい食べ物とかは好き。
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